| 5冊目:国境の南、太陽の西/村上春樹 | ||||
| 2006.08.14.Mon / 22:43 | ||||
その日、大学へ行くと灯りという明かりがついていなかった。 早朝だったので気にすることでもなかった。 どうやら電気設備の保守点検やらで、1日中停電していた模様。 事前告知されていたから、当然その日、大学には人っ子一人いない有様。 ときおり見かける人たちはみんな作業服を着たおんちゃんたち。 そのいつもとは違った大学の空間にいる自分。なんだか楽しくなってきたもんだから、その勢いで大学探検することにした。 普段行かない他学部の学部棟に行って雰囲気を楽しんだり、いるはずのない知らない教授の部屋のドアを無駄にノックしてみたり。ピンポンダッシュならぬ…。 そんな一人遊びが20分もしたころ、とある学部の先生の部屋の前に大量の本が積み重なっていた。 「私が読み終わった本です。すべて1冊100円。どうぞ♪」 という張り紙と共に、切り込みを入れた安っぽい箱だけがそこにあった。 どれどれ…と思い、色々探すがほとんどがその先生の専門書ばかり。ナントカ解析やらナントカナントカとか、とにかく知らない名前がたくさん。 でもなんとか1冊目ぼしいのを見つけて、僕は大学を後にした。 そうです。それがこの本でした。 カフカとかピンボールとかありふれたものしか読んでいいけど、村上春樹は好きな作家の一人。現実と空想を上手く合わせてくれます。 しかしこの本はその期待を見事に裏切る。 今まで読んだ中では最もリアルな物語。地に足がついている。 それでも、しっかりと偶然と必然を上手く描いているところが憎いです。 あらすじとしては、物語の主人公は小学校のときに出会い、別れた女の子のことがずっと頭から離れられないまま、たくさんの女性とつきあいながらも、ついに結婚し、子供をもうけて円満な家庭を築く。 しかしそんなある日、突然の出来事のように、大人になった女の子と再開を果たす。もちろん主人公は妻を愛してはいたが、強烈な吸引力でその成長した女性に魅了され、ついに彼女と関係を持ってしまうが…。 大筋なあらすじはこんな感じ。ありきたり。 だけど、筆者が伝えたいことは実際に読まないと分からない。 恋愛が持つ、切なさと無情さをひしひしと伝えてくれると同時に、ループし続ける惰性の人生にひとつの疑問を投げかけてくれると思います。 ただ、正直なところリアルな描写であるくせして、本当に伝えたいものが何なのかがいまいち分からないというのも僕の本音。なぜ島本さんは現実に落とさなかったのかなど謎が多いです。 来年あたりにでももう一度読もうと思う。 夏だね。村上春樹を読む季節だ。 ==== よければ、応援クリック!!よろしくおねがいします。 記事の評価もいただければ幸いです。 ![]() ![]()
第24回政策・情報学生交流会開催!
|
||||
| 今日の出来事 * CM(114) * TB(0) * PAGE TOP△ | ||||



20年分の喪失


